永遠の0

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

祖父の生涯を知るために、彼を知る生き残りの元兵士たちに会いに行く主人公。「必ず生きて帰る」と約束した祖父はなぜ特攻隊に志願したのか。証言を得るうちに、若かりし日の祖父の姿が次第に浮かび上がってくる。どうしてもこういった類の本は後回しにしがちだけど、これまで知らなかった終戦間近の日本の状況が詳しく描かれていてすごく勉強になった。個人的には祖母(になる女性)を守るために景山が活躍していたことがわかるくだりがすごくよかった。祖父である宮部久蔵の生き様はかっこいいだけじゃない、なんとも言えないものがあるけど、それも含めて戦争に巻き込まれてしまった人々の姿に、堪えきれず何度も涙をこぼしてしまった。