怪しい来客簿

怪しい来客簿 (文春文庫)

怪しい来客簿 (文春文庫)

短編集。多くは戦後すぐの大衆芸能に登場した人物について書かれているのだけど、ユーモアたっぷりな文章は読んでいて「こういう人生もあるんだよ」と優しく示されているような気持ちになれる。勝負師として裏の世界にも踏み入れたことのある著者だけあって、そういった影のようなものがチラホラ感じられるのはこの作者の味なんだろうな。どこか乾いたイメージのある上質な文章。これはちょっと本棚に置いておきたい本だなあと思った。