接吻

接吻 デラックス版 [DVD]

接吻 デラックス版 [DVD]

最近の韓国映画に似た、独特の重い雰囲気が最初のシーンからつきまとう。ストーリーは淡々と進んでいくけど、終盤に近づくにつれ少しずつ加速していくように感じられるのがとても怖い。その加速は京子の念願が叶って仕切りなしで面会する前、長谷川に京子がお礼の品を渡すところで、こちらがオチを容易に想像できてもぜんぜん緩むことがない。そして全てが終わってタイトルが出るあのタイミング!心の底から身震いしてしまった。
仲村トオルの立ち位置があまりはっきりしなかったのがう〜んって感じだったけど、逆にセリフが少なめな豊川悦司が醸しだす存在感はさすがだった。そしてなにより小池栄子。この迫力はなんなんだろう。テレビの司会とかバラエティーでの切り返しの上手さなんかをみてもとても才能溢れる人だと思っていたけど、女優にも向いているんじゃないだろうか。「名作」「衝撃作」との声が多いこの作品、個人的にはすごくまっとうな映画らしい映画でとてもよかった。