慣れと満員電車

通勤で使う路線が変わった。通勤ラッシュと呼ばれる時間帯よりも若干遅いのだけど、乗り込むとだいたい8割ほどしか座席が埋まっておらず、立っている人はほとんどいない。その気になれば簡単に座れるけど、すぐウトウトしてしまうのでたいていは立つことにしている。それでも風景を眺める余裕はあるし、音楽もイヤホンからしっかり聴きとれて、満員電車に揺られていた2年間を考えると天国と地獄の差。
何かの番組で外国人ゲストが“日本に来ていちばん驚いたことは?”との月並みな質問に“満員電車”と答えていた。海外ではあんなふうに人と人が肌を触れ合うことは、親族と友人以外には考えられないことらしい。座席についたとしても、隣の人とは少し間を空けるようにするんだとか。それじゃあやっぱり、日本のあのギュウギュウに詰まった電車を見たらビックリするよなー。いいかげん慣れてしまっていたけど、やっぱり日本の満員電車って異常なんだな・・・。
人間が他の生物と違う点は“慣れる”ことだ、ということを聞いたことがある。ようするに適応するということだから、これは高等なことと言えるんだろうけど、環境が変わって改めてその差に気がつくことも多い。“慣れ”は怖いというけど、ホントそうだなあと実感した次第。