容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

東野さんの作品はあまり読んでいない。秘密、嘘をひとつだけ、百夜行、ぐらい。どれも一冊読んだら次の作品を読むまでだいぶインターバルが空いている。とても文章が整っていて、読みやすいなあ、といつも感心するんだけど、「次の作品!」というふうに続かないのは、読んだあと心に悲しいものが残るからだ。それについてはいつも考えさせられる。本書もそうだった。最後に明かされるトリックには思わず唸ってしまったけど、やっぱり読後感にはたまらないものが残る。
ガリレオ先生として映画化されるようだけど、どんな風になるのかな。十中八九、作品として劣化すると思うけど、自分としてはその方があまり考えずに観られて嬉しいかも。