ちょっと考えてみた

上京して最初にバイトしていた出版社で知り合った友人と久しぶりに昼メシを食べる。
数少ない友人の中でいちばんウマが合う彼は、いまだにその出版社でバイトしている。
いろいろ話をしていると、やがて彼はちょっと悩んでいる、と切りだした。
僕も一緒に作っていたその雑誌だが、彼の話ではネットの某掲示板でその雑誌の板が存在していて、それにはどうも良くないことがいろいろと書きこまれているということだった。
先日読んだ村上春樹の本で『自分のいないところで話される、自分についての話は聞くな。そういう機会があったらめいっぱい避けて通れ』という言葉があった。
著者自身が半世紀以上生きたなかで学んだことらしく、これを読んだ時はかなりの重みを感じた。
ああこれに近いな、と思ったので友人にはあんまり見ない方がいいよ、と忠告しておいた。

僕は本を作る苦労も、どれだけの力がいるのかも、そこで働いて知っているので、気軽にその雑誌の批評はできない。
それはやっぱり自分が第三者になりきれておらず、冷静な目を持っていないからだろう。
でも、それで良いと思っている。
掲示板に書く人も、匿名であるからこそ余計な気を使わずにどんなことも書き込める。
そういえば先日、韓国で自殺してしまったアイドルもネットでのバッシングが原因とか言われていた。
・・・まあ、いろいろ考えて、何事も自覚することだけは忘れないでいようと思った次第。
今さらだけど、それだけ。
それだけのことがなかなかできない。