外野が騒ぐ

1日、いつものようにジムへ行って、チャリンコマシンに乗りながら目の前のモニターを見ていた。日本シリーズを観たかったのだけど、9時過ぎにはすでに終わっていたらしく、仕方なくぼんやりと他チャンネルを眺めた。
ジムから帰ってニュースをつけると、落合監督がインタビューに応えている画面があらわれて、ドラゴンズが優勝したことを知った。そこではアナウンサーがピッチャーの交代について質問していた。なんでもドラゴンズのピッチャー・山井選手が完封目前で、これが達成されると日本シリーズ始まって以来の新記録になるのに、あと1回を残して交代させてしまったんだとか。
でも落合監督はピッチャーの山井投手が交代したいと言ったこと、あと、彼のマメが潰れていたと理由を述べていて、それじゃあ仕方ないよな、と自分は納得して、でも優勝してよかったよなあと思った。
次の日。朝のニュースでは『落合監督・非情采配』がトップで流れていた。ありゃー。ニュースだけじゃなくて各スポーツ紙も完封目前だった山井選手を降ろしたことに焦点をあてて書いている。53年ぶりの優勝より、落合監督批判を持ってくるのかよー。
なんだか妙に腹が立ったけど、はなまるにガッキーがでているのを観たのでほんわかして出社。でも昼休みにネットのニュースで『落合采配に賛否両論』の記事を読んでしまい再びムシャクシャする。批評家とか元監督とか、いろんな人の意見が載っていて、おおかたの意見は落合監督の采配を批判するものだった。
そもそも自分は批評家とかが嫌いで、なんでこの人が批評するんだ?と思うことがある。星野監督や野村監督が『オレだったらこうする』ってのはわかる。野球経験者だし、もし中日の監督になったらそれなりの手腕を発揮するだろうし。でも野球やったことがないのにああだこうだ言って「オレが監督だったら・・・」なんてちょっとおかしい。そもそも誰もお前みたいなシロウトに監督なんて頼まないって。「夢がない」「ファンの期待を裏切った、空気読め」とか言うけど、もしあそこで監督が記録を優先して優勝を逃したら、真っ先に文句を言うのはこういう人たちに違いない。だいたい、言ったら言いっぱなしだからタチが悪い。
嫌だ嫌だと思いながら気分転換しようとほぼ日を読んだ。すると糸井さんもコラムそのことに触れていた。触れていたというか、この采配について、落合監督はすごいことをした、この采配については長い間語り継がれるに違いない、としきりに感心していた。あくまで野球の中で波紋を投げかけた、と。誰の何が悪いとかじゃなくて、ちょっと離れた視点で全体を見ていたのだ。
なるほどなー。この優勝の話をすると、絶対みんな采配について議論を交わすことになる。正に語り草になるに違いない。それはちょっとすごい。さすが名コピーライター、ちょっと違う視点で見てる。なんだか、ムシャクシャして思いつめていた自分がちょっと恥ずかしくなった。それでもう考えるのはやめた。もう終わったのだ。誰がなんと言おうとドラゴンズの優勝は揺るがない決定事項。
そんなこんなで今日の新聞を読んだら、落合監督は「言わせておけばいい」としれっとしていた。わはは。最高です、監督。俺ドラゴンズのファンになろうかなー。